施設紹介
放射線先端医学実験施設は、放射線の生体への影響を研究することを主目的している。当施設では、種々の放射線を照射するための放射線実験系、in vivo実験モデル動物を用いるための動物実験系、放射線影響を分子レベルで解析するための遺伝子実験系からなる。
放射線実験系
放射線実験系は、放射線同位元素実験棟を持ち、各種の放射線照射装置を備えている。これらの装置は、モデル動物個体(マウス、ラット)、ヒト細胞等の生物に対する電離放射線の影響、原爆放射線の線量再評価、装置の出力線量測定などの検査に用いられている。
当実験系は、所内をはじめ他学部・研究科、他大学の多くの研究者に利用されており、国内でも数少ない放射線影響研究のための実験施設である。
動物実験系
動物実験系は、in vivo実験モデル動物を用いた実験を行う施設として開設した。
総数17室の飼育室は、微生物学的モニタリングにより2種類に区別される。一般飼育室(13室)がコンベンショナルレベルで特殊飼育室(4室)がSPFレベルで、研究目的に応じて利用できる。原則、SPF動物、凍結受精卵、凍結精子のみが施設に導入可能である。
遺伝子実験系
遺伝子実験系は、放射線障害に関連するヒト疾患の発症メカニズムを分子レベルで解明することを目的に平成11年に放射線先端医学実験施設の一つとして設置された。これに伴って遺伝子実験系中央研究機器室が整備され、ゲノム情報解析を中心に最先端の研究機器が導入、集中的に配置された。